日本民藝美術館設立趣意書
「自然から産みなされた健康な素朴な活々した美を求めるなら、民芸 Folk Art (folk craft) の世界に来ねばならぬ。 私達は長らく美の本流がそこを貫いているのを見守ってきた。 併し不思議にも此世界は余りにも日常の生活に交る為、却て普通なもの貧しいものとして、顧みを受けないでいる。 誰も今日迄その美を歴史に刻もうとは試みない。」
「之に反し名無き工人によって作られた下手のものに醜いものは甚だ少ない。そこには殆んど作為の傷がない。自然であり、無心であり、健康であり、自由である。」
「此美術館は雑多な作品の聚集ではなく、新しき美の標的の具体的提示である。」
「美が自然から発する時、美が民衆に交る時、そうしてそれが日常の友となる時、それを正しい時代であると誰か言い得ないであろう。 私達は過去に於てそれがあったことを示し、未来に於てもあり得べき事を示す為に、此 『日本民芸美術館』 の仕事を出発させる。」
日本民芸美術館設立趣意書 より